story あの会社「ならでは」のストーリー

株式会社カチタス Vol.02

中古物件のリフォーム再販は、リスクが高い。中古物件の状態は当然1軒1軒違います。その状態を見極めてどのようにリフォームすれば現代の住み手(購入者)のニーズに応えられるか、費用との最適なバランスを考えて判断をしなければなりません。そのためには中古物件の“再生力(企画力)”と“見立て力”を養わなければならず、そこにはノウハウの蓄積がカギを握ります。カチタスのビジネスモデルが注目を集めるようになって、参入しようとする会社も増えましたが、何棟か手掛け赤字となり、ノウハウが蓄積される前に撤退してしまうと言います。ノウハウが蓄積されるまでに出血が多すぎる。カチタスは裁判所の競売物件を手掛けていた時代に苦労しながらもなんとか事業を継続しノウハウを蓄積したそうです。競売物件は所有権が落札するまで得られないので、物件の中に入って確認することができません。雨漏りがあるのか、内装が痛んでいるのかなど、落札してみないとわからない。そのまま売れるような綺麗ないい物件もあれば、躯体が傷んでいて直すのに1000万円かかってしまうようなものまで混在していて、その中で何とかしようと出血しながらも、時々いい物件に巡り合えるので、なんとか事業を継続してくることができた。リフォームのノウハウをその時代に内部に“暗黙知”として蓄積したのが大きかったと言います。そんないろいろな失敗を含めた経験豊富な人材がカチタスのビジネスモデルを支えています。

「社内でもよく言ってます。「なんでこんな面倒くさいことやってるんだ」って。でも面倒くさいからほかの人がやらなくて、だからそこに価値があるんですよね。うちの現場の百戦錬磨のエリアマネージャーは「本当に買うの?」と聞くと「全然大丈夫ですよ」「なんで?」「ここをこう変えて、ここの階段もかけかえて」とすぐに判断ができる。「でもそれ面倒じゃない?」と返すと「いや面白いじゃないですか」と。そういう人間がいてそれがちゃんと伝承されることで続いてるんだと思います」(大江室長)

強みは「企画力」と「見立て力」

つまりカチタスの強みは圧倒的な経験によって養われた「企画力」と「見立て力」にあると言えます。「企画力」とは、例えば駐車スペースの拡張、場合によっては建物を減築したり、隣地の一部を譲り受けることも視野に入れる。または和室続きの間取りをLDKに変更する、外壁にサイディングを重ね張りする、屋根の葺き替えまたは再塗装など、現代の住み手が求める要件を満たすためのリフォームを費用との最適なバランスで検討。そして具現化させる力のことを言います。「見立て力」とは、買取前に躯体の劣化状況や地下配管の状況などまで踏まえた上で、その住宅は果たして再生可能なのか。そのためにはその程度の費用が発生し、それは想定される売価と見合うのか。そのためにはいくらで仕入れればよいのかを判断する力のことを言います。

他社が1年かけて
失敗だったねっていうところを
我々は1か月で行ける

カチタスの言う「企画力」は、あるものを動かすとか、レイアウトを変えるとかだけではなく、もっと広義にとらえていてなかなか言語化しにくい「あの手この手」があると言います。

「あのですね…難しい…。例えばラーメン屋さんでいうと、麺は適度にコシがあるのがいいんだ、とまでは言えても、コシというのは何キログラム重の圧力をかけた時に切れるのか、みたいなことまでは数値化しにくい。やればできるんでしょうけど…。というような感じで言語化はある程度しています…が、言語化できない部分もあって…、難しいですね…」言語化しにくいノウハウは、こんなことができる、あんなことができると実際に現場で数を見て経験することで伝承されていきます。実績数で2番手に10倍以上の差があるということは、経験してわかることも10倍以上のスピードで得られることになり、つまり他社が1年かけて失敗だとわかることが、カチタスであれば1か月で次に行けることになります。つまりその差は開く一方で、その圧倒的な経験数が言語化しにくいノウハウの伝承をかなえています。

「暗黙知」を資産として活用する
図:SECIモデル

J-CSVの重要な視点「技」。カチタスではこの視点において「企画力」と「見立て力」という個人の持つ技術・ノウハウを最大の強みとして、特に重視しています。“言語化しにくいあの手この手のノウハウ”、つまり経営学者の野中郁次郎氏が定義した「暗黙知」を、企業の資産として上手に活用し伝承しています。圧倒的な経験数を活かして、暗黙知を暗黙知のまま伝承しているようにも感じました。また、事例共有などもしっかり行い、暗黙知を形式知に変えていく努力もされているように感じました。今回お話を伺って印象的だったのは、「面倒くさいから面白い」という言葉です。面倒くさい=工夫する・チャレンジすることがたくさんある=面白い。つまりチャレンジして技を増やし成長することがやりがいにつながっているということ。そのやりがいが、苦労をしながらもノウハウをためていく推進力にもなっているのだと思いました。

vol.3へ続きます。

カチタス

株式会社カチタス

株式会社カチタスは、地方の中古住宅を買い取り、リフォームし販売するリフォーム済み中古住宅販売最大手。住まい選びに「リフォーム済み中古住宅」という新しい第4の選択肢を創造。人口減少地域への良質な住宅供給、地域の空き家問題解消など、そのユニークな提供価値に注目が集まっている。
http://katitas.jp/